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栞 作:コジローⅡ
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22.夜空に咲く火の花よ
言い訳はしません。読んでくださった方々、もうしわけありませんでした。

その部屋を一言で表すなら、まさに『無』という言葉が的確だった。
第2女子寮最上階。表札のない扉をくぐったその先に待っていたのは、部屋と呼ぶにも抵抗がありそうな『空間』だった。
何も無い。完全に。
趣味的なものから、テレビやパソコン、果ては寝具や家具すらない。カーペットや畳もないせいでむき出しになっているコンクリートを見たときは、廃墟か牢屋かと思ったほどだ。
そんな、およそ人が生活するには不自由かつ不自然すぎるこの部屋には今、3人の人間がいた。
1人は、当然俺。もう1人は、神崎・H・アリア。
そして最後の1人は、ここの家主である少女――レキだった。
愛銃であるドラグノフを抱えて、いつもどおり制服姿の彼女は床に体育座りして壁によりかかっていた。
レキと同じく壁に背を預けて立つ俺の足元では、アリアがあぐらをかきながら双眼鏡で窓の外を見ていた。こうやって、昨日からキンジの部屋を監視していたらしい。
――さて。
現在の時刻は、午後1時くらい。ちょうど、かなえさんと会ってから1時間ほど経過している。
あれから、俺とアリアは当初の予定どおり、学園島に戻ってからレキの部屋に向かった。アリアは堂々と入っていったんだが、さすがに俺はビクビク物だったよ。見つかったらどうなるか、わかったもんじゃねぇ。
そして出迎えてくれたのは、いつもどおり無表情のレキ。あの月夜の晩以来久しぶりに会った彼女の許可をもらい(アリアは貰う前に入室していったが)、俺は框(かまち)を跨いだ。
――で、この現状なわけなんだが……、

『…………』

……し、静か過ぎるよこの空気。
いやまあ、レキはわかる。こいつはいつも寡黙だから、口を開かなくても違和感はない。逆にいきなりぺらぺらと喋りだしたら、そっちの方が怖い。
しかし、アリアさん。お前が黙るのはいただけねぇぜ。いつもの騒々しさはどうした。
あるいはそれだけ今回の件――『魔剣(デュランダル)』――に対する思い入れがあるのかもしれねぇが。なんでそこまで入れ込むのかはわかんねぇけど。
しかし……。
俺はちらりと横目で、レキを窺う。
なんというか、俺も俺でそんなに黙り込むタイプじゃねぇんだが、こいつがいるせいかどうも口が重い。
さっき言ったが、俺がこいつと会うのは例の会話……「強くなってください」といわれたあの夜以来のことだ。
レキはきっと、なにかを知っている。俺が知らない、何かを。それこそ、理子や『教授(プロフェシオン)』たち――『イ・ウー』についても、だ。
そりゃあ……今までどおりにゃ接することができねぇよ。どうしても、それがちらつく。
かといってじゃあ、全部を聞き出すことは無理だ。どうせ言わないだろうし、なにより今はアリアがいる。あいつの前で、理子が関わる話はしたくない。なんせアリアは、あのハイジャックで彼女に煮え湯を飲まされているのだから。
……とはいえ、だ。このままってのもさすがに気まずい。
よし。ここは思い切って、会話してみよう。
というわけで、俺は顔をレキの方へと向け、

「あー……レキ、その、なんだ。えーっと……いい天気だな」
「そうですね」
「…………」
「…………」

死にたい。
っていうか、なんなんだ俺は!? 俺ってこんなにコミュ力なかったっけ!? 「話題の起点としてはトップクラスの知名度だけど実際使う機会あんまないよね」と言われる台詞を吐くほど、俺は口下手だったっけー!?
し、しかしだ、まだ終わっちゃいない。とりあえず話すことには成功したんだ。こっから上手く持ってけば、まだ逆転は可能!
いくぞ!

「そういや、知ってるかレキ? 空が青いのは、地球の大気が青と緑の波長を散乱させてるからなんだぜ?」
「そうなんですか」
「…………」
「…………」

いっそ殺してくれ。
いや、わからなくはないよ? 天気の話題から繋がってるのは、確かにわからなくねぇけど、しかしそんなウンチクを披露してどうするんだ、俺の脳よ。
やばいな。俺って、こんなに引きずるタイプだっけ?
もしかしたら、ずっとこんな感じになっちまうのか? と俺が辟易としたその時、

「――あ、の、色ボケ武偵ッ!」
「うおっ!?」

突如わけのわからないことを叫んだアリアが、怒気もあらわにしながら勢い良く立ち上がった。
双眼鏡を砕けよとばかりに握り締めるその姿は、さながら羅刹か悪鬼のような威圧感を放っている。
な、なんだなんだ? なにがあったんだ?
アリアが怒りを向ける原因を調べるため、俺は監視用にと彼女に渡されていたもう一つの双眼鏡を使い、アリアが見ている方向を眺めた。
双眼鏡の2つのレンズに映ったのは……キンジと白雪だ。それも、なんだあれは? 嫌がるキンジに白雪が無理やり箸で掴んだ料理を食べさせようと――俗に言う「はい、あーん」ってやつか――している。
それを見た瞬間、俺の心は一瞬で沸騰した。

「あ、の野郎……ッ!」

ふ、ふざけるなよクソ野郎! 仮にも男の夢の一つである「はい、あーん」を拒否ってやがるだと!? 俺なんか、一度もしてもらったことがないというのに!
遠山キンジ、必滅すべし! ていうかお前、護衛だろうが。依頼人となにやってんだちゃんと警護しろよゴラァ!
嫉妬に肩を震わせ、歯の根をギリギリとかみ合わせる俺ははたから見ればさぞ気持ち悪いことこの上なかったろうが、その時の俺はそれほど怒っていたわけだ。
しかしなんとか、俺は気持ちを落ち着かせる。ここで俺が妬ましさに打ち震えたところで、まさかキンジの部屋まで乗り込むわけにはいかないからな。それじゃあ、この『外部からのボディーガード』の意味が無くなってしまう。
アリアの作戦を、一個人である俺の感情で台無しにするわけにはいかないよな、と双眼鏡から目を離し、ちらりとアリアに目を向けると、

「バカキンジィ……ッ! 今すぐそっち行くから待ってなさいよ!」

あれー!? 作戦立案者さんが突撃(カチコミ)しかけようとしてらっしゃるー!?
俺は慌てて、部屋を出て行こうとするアリアの腕を掴み、

「ち、ちょっと待てバカ! ここでお前が行ったら、この作戦の意味がねぇだろうが!? ただ家に行くだけならまだしも、これじゃ監視してたことまでバレんだろ!」
「は、な、せ~! あたしはね、別にキンジと白雪がい、いいイチャイチャしてようがどうだっていい! それはホントにホントよ! けどね、なにが許せないって、白雪のことは任せろって言っておいて、あんな腑抜けたマネしてることよ!」
「だから落ち着けって! 気持ちはわからなくもねぇが、そうは言ってもお前、これでまた『魔剣』にこっちの行動が察知されたら、また振り出しだぞ!」

俺の指摘にアリアは「うぐっ」と声を詰まらせ、それでも納得はしてくれたのか、

「……あー、もうっ。わかったわよ、あんたの言うとおりだわ。もう行こうとしないから、そろそろ腕放してよ」
「わかっていただけたようでなによりだ」

アリアの腕から手をどけつつ、俺は嘆息する。
なんというか、悪い意味で変わらねぇなぁ、こいつは。かなえさんと会った後くらいは大人しかったんだが(というか挙動不審っぽかったが)、気づけばまたいつもの短気っぷりを発揮してやがる。
しかしまあ、なんだ。ともあれ、一応怒りは鎮まったらしい。これでアリアも、今後は冷静な対応を取ってくれるだろう。
安堵した俺は、一人静かに「やれやれ」と呟くのだった。

――10分後。

「もう無理ッ! 今度こそ風穴あけに行ってやるわ!」
「はえぇよ! お前10分前の自分の台詞思い出してみろ! ……って、こらこらなんでガバメント抜いてんだよバカ!」
「は、な、せ~!」
「この展開さっきもやったよなぁ!? 学習能力ゼロか! おいレキお前もこいつ止めるの手伝ってくれ!」
「…………(もくもく)」
「マイぺ――――――スッ! 食ってる場合かー! なに一人でカロリーメイトもしゃもしゃやってんだよお前は!?」

そんな会話があったことは、俺たち3人の秘密である。

* * *

――監視生活、3日目。
と、こういう書き方をするとなんだかアレな感じだが、とにもかくにも、俺がレキの部屋に転がり込んでから、今日で3日目だ。
意外なことにというか幸いなことにというか、ことここに至ってもまだ、女子寮への潜伏がバレてはいなかった。現在ゴールデンウィーク中ということもあり、基本的に一日中部屋にこもってりゃいいしな。それに、寮から出るときも非常階段を使うという手があったし。それでも、奇跡に近いんだが。
ちなみに、着替えとかもろもろの生活用品については、さわやかイケメンこと不知火亮さんに俺の部屋から取ってきてもらった。ありがてぇぜ、ホントに。
さらに変化があったとすれば、それは俺とレキの関係性だ。といっても大した話じゃなく、単純に俺が普通にレキと話せるようになったってだけのことなんだが。さすがに3日も同居生活を続けていれば、どうしても話す機会は増える。結果、ほとんど以前と変わらない状態になった。無論、あの夜のことは頭の片隅にあるが。
――で。
その3日目の今日、5月5日。時刻は夜6時を半ば回ったころか。俺は、レキの部屋でキンジからゴールデンウィーク中の護衛について報告を受けていた。

「ふーん。じゃ、とりあえず今んところはなんもねぇんだな」
『ああ。一応、問題はない』

床の上に置いたスピーカーモードの携帯電話から聞こえるキンジの言葉に、俺は眉を少し寄せる。
お前のほうは問題なかったのかもしれんが、こっちはお前らの行動にいちいちアリアがキレて大変だったんだぞ。ちくしょう。

「了解。他にはなにかあんのか?」
『いや、とりあえず報告はこんなところだな。――と、悪い。すまんが、そろそろ切るぞ。予定があるんだ』
「予定?」
『白雪と、7時から花火を見に行く約束をしてるからな。ちょっと今出かけてるから、それまでに家に帰らなきゃならないんだ』
「花火ぃ?」

そんなの今日やってたか? と首をひねり、直後思い出す。
そういや、荷物の受け渡しの時亮が言ってたな。東京ウォルトランドで花火大会があるとかなんとか。「神崎さんを誘ってみたら?」とか言われたっけ。
で、その花火を白雪と見ようってか。しかしまあ、よく白雪をウォルトランドなんて人が多い場所に誘えたもんだな。

「ウォルトランドであるやつか? あいつ、そういう大勢が集まる場所、苦手じゃなかったか?」
『ああ。だから、ウォルトランドには入らない。葛西臨海公園まで出て、そこで見ることにした』

なるほど。確かに、それならランドの方よりかは人は少ないだろう。
だが……、

「でも、いいのかよ? 仮にもボディーガードだろ、お前。クライアントを外に連れまわすのは感心しねぇな」
『じゃあずっと部屋に篭って陰々滅々と過ごせってか? 一日くらい平気だろ。今までだって何も無かったんだから。……それに、上手くいえないが……白雪には、もっと外の世界を知ってほしいんだ。あいつは、無理をして自分を抑えこんでる。たまには、それを解放させてやりたいんだよ、俺は』
「…………」

まあ、正直キンジの思いもわからなくはない。
これでも、俺だって白雪とはもう1年の付き合いになる。あいつの『そういうところ』は、俺だって知ってる。だから、そういう機会を持つことが悪いことだとは思わねぇし、むしろ勧めるくらいだ。
だが……時期が悪い。今白雪は、『魔剣』に狙われている。そんな状況で、それははたしていいことなのか?
……いや、それは俺が決めることじゃねぇか。
俺は、視線を対面に座るアリアに向け、マバタキ信号(ウィンキング)を使って指示を仰ぐ。
――ドウスル?
パチパチとまぶたを閉じたり開けたりしながら、アリアに伝える。
アリアもまた同様にして
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「バカキンジィ……ッ! 今すぐそっち行くから待ってなさいよ!」

あれー!? 作戦立案者さんが突撃(カチコミ)しかけようとしてらっしゃるー!?
俺は慌てて、部屋を出て行こうとするアリアの腕を掴み、

「ち、ちょっと待てバカ! ここでお前が行ったら、この作戦の意味がねぇだろうが!? ただ家に行くだけならまだしも、これじゃ監視してたことまでバレんだろ!」
「は、な、せ~! あたしはね、別にキンジと白雪がい、いいイチャイチャしてようがどうだっていい! それはホントにホントよ! けどね、なにが許せないって、白雪のことは任せろって言っておいて、あんな腑抜けたマネしてることよ!」
「だから落ち着けって! 気持ちはわからなくもねぇが、そうは言ってもお前、これでまた『魔剣』にこっちの行動が察知されたら、また振り出しだぞ!」

俺の指摘にアリアは「うぐっ」と声を詰まらせ、それでも納得はしてくれたのか、

「……あー、もうっ。わかったわよ、あんたの言うとおりだわ。もう行こうとしないから、そろそろ腕放してよ」
「わかっていただけたようでなによりだ」

アリアの腕から手をどけつつ、俺は嘆息する。
なんというか、悪い意味で変わらねぇなぁ、こいつは。かなえさんと会った後くらいは大人しかったんだが(というか挙動不審っぽかったが)、気づけばまたいつもの短気っぷりを発揮してやがる。
しかしまあ、なんだ。ともあれ、一応怒りは鎮まったらしい。これでアリアも、今後は冷静な対応を取ってくれるだろう。
安堵した俺は、一人静かに「やれやれ」と呟くのだった。

――10分後。

「もう無理ッ! 今度こそ風穴あけに行ってやるわ!」
「はえぇよ! お前10分前の自分の台詞思い出してみろ! ……って、こらこらなんでガバメント抜いてんだよバカ!」
「は、な、せ~!」
「この展開さっきもやったよなぁ!? 学習能力ゼロか! おいレキお前もこいつ止めるの手伝ってくれ!」
「…………(もくもく)」
「マイぺ――――――スッ! 食ってる場合かー! なに一人でカロリーメイトもしゃもしゃやってんだよお前は!?」

そんな会話があったことは、俺たち3人の秘密である。

* * *

――監視生活、3日目。
と、こういう書き方をするとなんだかアレな感じだが、とにもかくにも、俺がレキの部屋に転がり込んでから、今日で3日目だ。
意外なことにというか幸いなことにというか、ことここに至ってもまだ、女子寮への潜伏がバレてはいなかった。現在ゴールデンウィーク中ということもあり、基本的に一日中部屋にこもってりゃいいしな。それに、寮から出るときも非常階段を使うという手があったし。それでも、奇跡に近いんだが。
ちなみに、着替えとかもろもろの生活用品については、さわやかイケメンこと不知火亮さんに俺の部屋から取ってきてもらった。ありがてぇぜ、ホントに。
さらに変化があったとすれば、それは俺とレキの関係性だ。といっても大した話じゃなく、単純に俺が普通にレキと話せるようになったってだけのことなんだが。さすがに3日も同居生活を続けていれば、どうしても話す機会は増える。結果、ほとんど以前と変わらない状態になった。無論、あの夜のことは頭の片隅にあるが。
――で。
その3日目の今日、5月5日。時刻は夜6時を半ば回ったころか。俺は、レキの部屋でキンジからゴールデンウィーク中の護衛について報告を受けていた。

「ふーん。じゃ、とりあえず今んところはなんもねぇんだな」
『ああ。一応、問題はない』

床の上に置いたスピーカーモードの携帯電話から聞こえるキンジの言葉に、俺は眉を少し寄せる。
お前のほうは問題なかったのかもしれんが、こっちはお前らの行動にいちいちアリアがキレて大変だったんだぞ。ちくしょう。

「了解。他にはなにかあんのか?」
『いや、とりあえず報告はこんなところだな。――と、悪い。すまんが、そろそろ切るぞ。予定があるんだ』
「予定?」
『白雪と、7時から花火を見に行く約束をしてるからな。ちょっと今出かけてるから、それまでに家に帰らなきゃならないんだ』
「花火ぃ?」

そんなの今日やってたか? と首をひねり、直後思い出す。
そういや、荷物の受け渡しの時亮が言ってたな。東京ウォルトランドで花火大会があるとかなんとか。「神崎さんを誘ってみたら?」とか言われたっけ。
で、その花火を白雪と見ようってか。しかしまあ、よく白雪をウォルトランドなんて人が多い場所に誘えたもんだな。

「ウォルトランドであるやつか? あいつ、そういう大勢が集まる場所、苦手じゃなかったか?」
『ああ。だから、ウォルトランドには入らない。葛西臨海公園まで出て、そこで見ることにした』

なるほど。確かに、それならランドの方よりかは人は少ないだろう。
だが……、

「でも、いいのかよ? 仮にもボディーガードだろ、お前。クライアントを外に連れまわすのは感心しねぇな」
『じゃあずっと部屋に篭って陰々滅々と過ごせってか? 一日くらい平気だろ。今までだって何も無かったんだから。……それに、上手くいえないが……白雪には、もっと外の世界を知ってほしいんだ。あいつは、無理をして自分を抑えこんでる。たまには、それを解放させてやりたいんだよ、俺は』
「…………」

まあ、正直キンジの思いもわからなくはない。
これでも、俺だって白雪とはもう1年の付き合いになる。あいつの『そういうところ』は、俺だって知ってる。だから、そういう機会を持つことが悪いことだとは思わねぇし、むしろ勧めるくらいだ。
だが……時期が悪い。今白雪は、『魔剣』に狙われている。そんな状況で、それははたしていいことなのか?
……いや、それは俺が決めることじゃねぇか。
俺は、視線を対面に座るアリアに向け、マバタキ信号(ウィンキング)を使って指示を仰ぐ。
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하멜 마이 페이지 소설 검색 랭킹 가짜 이름 무정 메뉴 즐겨 찾기 책갈피 작 : 코지로 Ⅱ ▼ 페이지 하단에 << 전의 이야기 목차 다음 이야기 >> 24/33 22. 밤하늘에 피는 불의 꽃 이여 변명합니다 하지 않습니다. 읽어 주신 분들, 죄송했습니다. 그 방을 한마디로 표현한다면 바로 '무'라는 말이 정확했다. 제 2 여자 기숙사 최상층. 문패없는 문을 뚫고 그 앞에 기다리고 있던 것은, 방이라고 부르기도 저항이있을 것 같은 '공간'이었다. 아무것도. 완전히. 취미 인 것으로부터, TV 나 PC, 끝은 침구와 가구조차 없다. 카펫이나 조도없는 탓에 노출 된 콘크리트를봤을 때, 폐허 가지 감옥라고 생각했을 정도 다. 그런 약 사람이 생활하기에 불편하고 부자연 너무이 방에 지금 3 명의 사람이 있었다. 한 사람이 당연히 나. 다른 사람은 칸자키 · H · 아리아. 그리고 최후의 1 인은 여기에서 집주인 인 소녀 - 레키이었다. 사랑 총 인 드라구노프가 있었는데 평소 교복 차림의 그녀가 바닥에 체육 앉아하고 벽에 기대어 있었다. 레키와 같이 벽에 등을 맡기고 서 내 발밑에서 아리아가 책상 다리를 흘리면서 쌍안경으로 창 밖을보고 있었다. 이렇게 어제부터 킨지의 방을 감시하고 있던 것 같다. - 그럼. 현재 시간은 오후 1시 정도. 다만, 정 씨와 만난 지 1 시간 정도 경과하고있다. 그때부터, 나와 아리아는 당초 예정대로 학원 섬에 돌아와서 레키의 방으로 향했다. 아리아는 당당히 들어간 것이지만, 과연 나는 벌벌 물 더라. 발견하면 어떻게 될까 알려졌다 몬자 네요. 그리고 반겨 준 것은, 언제나처럼 무표정 레키. 그 달밤의 밤 이후 오랜만에 만난 그녀의 허가서 (아리아받을 전에 입실 갔지만), 나는 회전식 문 (문틀)을 넘은 것이다. -하고,이 현상 인 까닭지만 ...... "............" ......하고 너무 조용한거야이 공기. 아니 글쎄, 레키는 알 수있다. 이 녀석은 항상 과묵이라 입을 열지 않고도 위화감은 없다. 반대로 갑자기 줄줄 떠들 시작하면, 그쪽이 무섭다. 그러나 아리아 씨. 니가 침묵은 수 있잖아 왜. 언제나 소란은 어떻게했다. 혹은 그만큼 이번 건 - "마검 (듀랜달)"- 대한 애착이 있을지도 있잖아하지만. 어째서 거기까지 집어인지는 나도 있잖아지만. 그러나 ....... 나는 살짝 곁눈질로 레키을 엿볼. 뭐라고 할까, 나도 내에서 그렇게 입을 다문 유형 그럼지만,이 녀석이있어서 그런지 정말 입이 무겁다. 아까 말했지만 내가이 녀석과 만나는 것은 예의 대화 ...... "강하게되어주세요"라고 한 그날 밤 이후 처음이다. 레키는 반드시 뭔가를 알고있다. 내가 모르는 뭔가. 그야말로 리코와 '교수 (뿌로훼시온)'들 - 「이 · 우」에 대해서도이다. 그거야 ...... 지금까지대로 냐 접할 수 있잖아 요. 다만 그것이 깜빡이. 그렇다고 그럼, 모두를 속여 것은 무리 다. 어차피 말 할 수 없지, 무엇보다 지금은 아리아가있다. 그 녀석 앞에서 리코가 관련된 이야기는하고 싶지 않아요. 워낙 아리아는 그 하이재킹 그녀에게 고배를 마시 게되어 있으니까. ...... 그렇다고는해도,이다. 이대로라는 것도 과연 어색한. 좋다. 이곳은 과감히 대화 해 보자. 그래서, 나는 얼굴을 레키쪽으로 향하고, 「아 ...... 레키 그 뭐지. 말하자면 ...... 좋은 날씨구나 " "글쎄요" "............" "............" 죽음 대. 라고하는지, 뭐야 난! ? 나는 이렇게나 코뮤 힘 없었다 던가! ? "화제의 기점으로 최고의 지명도이지만 실제로 사용할 기회 안마 없어요"라고 말하는 대사를 뱉을 정도로 나는 말주변이었다 믹서기! ? 하고 있긴 한데요, 아직 끝나지 않았어. 일단 얘기는 성공 했어. こから잘 가지고 케바 아직 역전 가능! 갈거야! "그러고 보니, 알고 있을까 레키? 하늘이 푸른 지구의 대기가 파란색과 녹색의 파장을 산란시켜 있으니 같은 거라구?" "그렇습니까?" "............" "............" 차라리 죽여 줘. 아니, 몰라 아니에요? 날씨의 화제에서 이어진 것은 확실히 몰라서 이군요하지만, 그러나 그런 온축을 선보이며 어떻게하지, 나의 뇌 있어요. 위험 해. 나 말야, 이렇게 끄는 타입 던가? 혹시, 계속 이런 기분이 버릴 것인가? 와 내가 벽역 한 그 때 "- 아, 것, 색 노망武偵ッ!" "우옷!?" 갑자기 알 수없는 것을 외쳤다 아리아가 노기도 드러내면서 힘차게 일어 섰다. 쌍안경을砕けよ듯이 움켜 쥔다 그 모습은 마치 나찰 또는 악귀 같은 위압감을 내고있다. 뭐, 뭐야 뭐야? 무슨 일이 있었던거야? 아리아가 분노를 조준 원인을 조사하기 위해 나는 감시에 그녀에게 전달되어 또 하나의 쌍안경을 사용 아리아가 바라 보는 방향을 바라 보았다. 쌍안경 2 개의 렌즈에 비친 것은 ...... 킨지와 백설이다. 그것도 뭐야 저건? 싫어하는 킨지에 백설이 억지로 젓가락으로 잡은 요리를 먹이려고 - 흔히 말하는 「네, 아 - 응」라는 녀석인가 -하고있다. 그것을 본 순간 내 마음은 순식간에 비등했다. "아, 놈 ...... 스타!" 훗, 웃기지 마라 빌어 먹을 놈! 명색이 남자의 꿈의 하나 인 "네, 아 - 응 '을 거부라고や싶어하는 것이라고! ? 나 같은 경우, 한 번도받은 적이 없다는데! 토오야마 킨지, 필멸 할 것! 랄까 너 호위 겠지만. 의뢰인과 뭐하는거야 제대로 경호해라 고라ァ! 질투에 어깨를 떨며 치아의 뿌리를 아슬 아슬와 맞 물리는 나는 하네다에서 보면 필시 기분 나쁜 아닐 수 을까, 그 때의 나는 너무 화가 나서 셈이다. 그러나 어떻게 든, 나는 마음을 진정시킨다. 여기서 내가妬まし에 쳐 떨고 했더니, 설마 킨지의 방까지 탑승 여유가 없으니까. 그럼이 "외부에서 보디 가드 '의 의미가 없어져 버린다. 아리아 전략을 한 개인 인 나의 감정 망칠 순 없어요, 그리고 쌍안경에서 눈을 떼고 살짝 아리아에 눈을 돌리면, "바카킨지ィ...... 스타! 지금 그쪽 갈테니까 기다려 하시 야! " 어레이! ? 작전 입안자 씨가 돌격 (카찌코미)しかけよ려고하고 계시는 자! ? 나는 황급히 방을 나가려하는 아리아의 팔을 잡고 ​​"땅 잠깐 바보! 여기 니가 가면,이 작전의 의미가 있잖아 겠지만!? 그냥 집에 갈 뿐이라면 몰라도 이래서야 감시하고 있었던 것까지 들켜 거지! " "은 뭐,하지 ~! 아타시는군요 따로 킨지와 백설이 있었다 좋은 노닥てよ겠지만 아무래도 좋다! 그것은 정말로 정말로 요!하지만 네, 뭐가 용서할 수 없다고, 백설 것은 맡겨라라고 해놓고 저런 얼빠진했다 흉내 내고있는 거지! " "그래서 진정하라고해도! 기분은 몰라서도 있잖아하지만 그 말은 도 너, 이제 다시 '마검'에 이쪽의 행동이 감지되면 또 다시 원점 하구나! " 나의 지적에 아리아는 "うぐっ"고 목소리를 막고, 그래도 납득이 준 것인지, "...... 아, 이제 (벌써). 알았어, 너 말대로 이예요. 이제 가려고하지 않기 때문에, 슬슬 팔 놓아 줘" "알고 수 것 같고 무엇보다 다" 아리아의 팔에서 손을 비켜 가고, 나는 탄식한다. 뭐라고 할까, 나쁜 의미로 변함 있잖아구나,이 녀석은. 카나 씨와 만난 후 정도는 얌전했다지만 (또는 거동 같았지만)주의하면 또한 항상 신경질 듬뿍를 발휘하고や싶어한다. 그러나 뭐, 뭐야. 여하튼, 일단 분노는鎮まっ것 같다. 이제 아리아도 앞으로 냉정한 대응을 잡아주는 것이다. 안도 한 나는 혼자 조용히 "아휴"라고 중얼 거리는 것이었다. --10 분 후. "이제 무리 스타! 이번에야말로 바람 구멍에 가서 주마!" "은えぇよ! 너는 10 분 전 자신의 대사 기억해 보라! ...... 아니, 이거 이거 왜 거버먼트 빼고거야 바보!" "는 뭐,하지 ~!" "이 열기 아까도 했어구나!? 학습 능력 제로인가!두고 레키 너도 녀석 막을 도와 줘!」「............ (모락)」「마이 --- --- 슷! 먹고있는 경우 자동차! 뭐 혼자 칼로리 메이트もしゃもしゃ하고거야 넌!? " 그런 대화가 있었던 것은, 우리들 3 명의 비밀이다. * * * - 모니터링 생활 3 일째. 하면 이런 쓰는 법을하면 왠지 아레 느낌이지만, 어찌 되었든도 내가 레키의 방에 굴러에서 오늘 3 일째이다. 놀랍게도 할까 다행히도 할까, 여기에서까지도 여전히 여자 기숙사에 잠복가 들켜 않았다. 현재 골든 위크 중이라는 것도 기본적으로 하루 종일 방에 틀어てりゃ좋다구나. 게다가 기숙사에서 나오는 때도 비상 계단을 사용하는 손이 있었고. 그럼에도 불구하고 기적에 가까운 것이지만. 참고로 갈아 라든지 여러가지 생활 용품은 상쾌 꽃미남 수 시라누이 료 씨에 내 방에서 구해달라고했다. 있다가해서ぇ구, 정말로. 또한 변화가 있었다고하면 그것은 나와 레키의 관계이다. 해도 대단한 이야기가 아니라 단순히 내가 보통 레키과 말할 수있게봤자 만의 일이야 있지만. 과연 3 일이나 동거 생활을 계속하고 있으면, 아무래도 이야기 할 기회가 늘어난다. 결과 대부분 이전과 다름없는 상태가되었다. 물론, 그 날 밤은 머릿속에 있지만. -에. 그 3 일째 오늘 5 월 5 일. 시간은 밤 6시 반 돌았 다 때 일지. 나는, 레키의 방으로 금지에서 골든 위크 중의 호위에 대한보고를 받고 있었다. "응. 그럼 일단 지금 거 점은 무엇도 응구나" "아. 일단 문제가 없다 ​​" 바닥에 둔 스피커 모드의 휴대 전화에서 들리는 킨지의 말에, 나는 눈썹을 약간 건다. 너 쪽은 문제가 없었다일지도 모르지 만, 이쪽은 너희들의 행동에 일일이 아리아가 이성을 잃고 힘들었던거다. 젠장. "양해 다른는 무엇인가 팥고물의 것?" "아니, 일단보고는 이런 곳이다. - 그리고 나쁘다. 미안하지만, 이제 자르는거야. 계획이 있구나 " "계획?" "백설와 7 시부 터 불꽃 놀이를 보러 갈 약속을 있으니까. 조금 지금 나가고 있으니 그때까지 집에 돌아 가지 않으면 안되는거야 " "불꽃 어이?" 그런 오늘 일 있었나? 과 목을 비틀어 직후 떠오른다. 그러고 보니, 짐 전달의時亮말 했었지. 도쿄 월트 랜드에서 불꽃 놀이가있다 든가 어떻게 든. "칸자키 씨를 초대 보면?」라고 말씀 하셨다 던가. 그리고, 그 불꽃을 백설로 보자라고 하는가? 하지만 글쎄, 잘 백설를 월트 랜드 뭐라고하는 사람이 많은 장소에 초대 는걸구나. "월트 랜드 인 녀석인가? 그 녀석, 그런 여럿이 모이는 장소 골칫거리가 아니 었습니까?" "아. 그래서, 월트 랜드에는 들어 가지 않는다. 카사이 임해 공원까지 나오고 거기서 보게했다 " 그렇군요. 물론, 그렇다면 랜드 쪽보다지는 사람은 적을 것이다. 하지만 ...... "하지만 좋은 것인지? 명색이 보디 가드 일 너 클라이언트를 밖으로 데리고 돌리는 감동 이군요 마라" "그럼 계속 방에 틀어 박혀 잉잉 거림들과 지낼라고합니까? 하루 정도 태연 이겠지. 지금까지도 아무것도 없었다니까. ...... 게다가, 잘 말할 수 없지만 ...... 백설는 더 외부 세계를 알고 싶은거야. 그 녀석은 무리를해서 자신을 억제 넣고있어. 가끔은 그것을 해방시켜주고 싶은거야, 나는 " "............" 글쎄, 솔직히 킨지의 생각도 몰라서가 아니다. 그래도, 나도 백설는 벌써 1 년의 교제된다. 그놈의 "그러한 곳"는 나도 알고있어. 그래서, 그러한 기회를 가지는 것이 나쁜 일이라고 생각 주질 않고 오히려 조언 정도 다. 하지만 ......시기가 나쁘다. 今白雪는 '마검'에 표적이되고있다. 그런 상황에서 그것은 과연 좋은 것인가? ...... 아니, 그것은 내가 결정할 잖아. 나는 시선을 대면에 앉아 아리아를 향해 윙크 신호 (윈 킹)을 사용 자문을 구함. - 어쩔거야? 지직과 눈꺼풀을 닫을 열거 나하면서 아리아 전한다. 아리아도 같은 방법으로




































































































































































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핑계 불.읽고 여러분, 죄송합니다.

저 방 쓴다 한 마디 말로 형용할 하면 바로 "무" 이 단어의 정확하다.
2 여학생 기숙사 맨.없는 명품 문 뚫은 전방 기다리는 것은방도 저항적인 이런 '공간' 말했다.
아무것도 없다.완전히.
취미 성 물건, 텔레비전, 컴퓨터, 마지막 심지어 침구 및 가구.카펫과 다다미 그래도 벌거숭이 콘크리트 볼 때 없어. 제가 그 폐허? 감방 지경이다.
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1 사람, 당연히.또 한 사람은 신 곡안 · H · 영탄조.
마지막 한 사람여기 호주 소녀 그래 レ 겨울.
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レ 키 같은 벽에 등을 맡기다 내 발 서 영탄하다 가부좌 하면서 긁다 창밖을 보고 쌍안경.이렇게 어제부터 방 欣儿 감시하고 있다.
그래. 그럼.
지금 시간은 오후 1시쯤.마침, 실현 선생 만나고 1시간 지나갔다.
그,
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